2013年8月23日金曜日

ラウール・ゴンサレス、ついにレアル・マドリー復帰!

たまには音楽以外でも。
もうプレーするのは辞めてしまいましたが、自分は幼稚園の頃からサッカーやってたのですが、小学生の時から今に至るまでずーっと好きな選手がいます。ラウール・ゴンサレス・ブランコ。

スペイン一部リーグ、リーガ・エスパニョーラに籍を置く名門ビッグクラブ、レアル・マドリーで1994〜2010年の長きに渡って在籍し(ユース時代含めると1992年から)、公式戦最多出場(741試合)と公式戦最多ゴール(323ゴール)のクラブ記録を保持する、まさに「生ける伝説」です。

そんな「スペインの至宝」と呼ばれてきた彼も今年で36歳。2010年にレアルを離れた後は、シャルケ04に移籍し、現在はカタールのアル・サッドに所属しています。
そして今回8月23日、そのアル・サッドがレアル・マドリーのホーム、サンティアゴ・ベルナベウで開催される親善試合「サンティアゴ・ベルナベウ杯」 に招待され、ラウールが2010年7月26日ぶりに凱旋しました。



親善試合とはいえ、ラウールが帰ってくるってことで満員のスタジアム。ラウールは前半はレアルの選手としてプレーし、後半はアル・サッドの選手としてプレー。彼の象徴とも言える背番号7は、普段はクリスティアーノ・ロナルドがつけていますが、この日だけは特別。前半だけラウールに7番を譲り、自身は11番をつけていました。スペインのフアン・カルロス国王が観に来たという事実からも彼がいかに愛されているかが分かりますね^^

 
肝心の試合結果は5−0でレアルの大勝。 1点目はラウールが見事なボレーを決めて会場を大いに沸かせました。他にも若手のイスコやヘセが得点したのは良い事でしょう。


試合終了後には、レアルが優勝すると毎年ラウールが行っていた「闘牛士の舞い」を披露。胴上げもされて、レアルファン、そしてラウールファンには最高の一日になりました。


そんな僕も某動画サイトで試合を拝見。涙と笑いの90分。ラウールは、いずれはレアルのフロント業にきっと就くのでしょう。ますますこのクラブと彼が好きになれました。

Hala Madrid!!!



2013年8月11日日曜日

Howlin

お久しぶりです。

最近買ったCDの中でずーっと聴き続けているのがこれ。オーストラリアの2人組で、今年の6月10日に1stアルバム『Howlin』が発売されたばかりの期待の新人、Jagwar Maです。読みづらいですが(笑)、ジャグウォー・マと読みます。


・Jagwar Ma − 『Howlin』  発売日:2013年6月10日
・個人的評価:80/100点
・収録曲:
1, What Love
2, Uncertainty
3, The Throw
4, That Loneliness
5, Come Save Me
6, Four
7, Let Her Go
8, Man I Need
9, Exercise
10, Did You Have To
11, Backwards Berlin


打ち込みと生のバンドサウンドが融合し、サイケデリックかつダンサンブルなサウンドに仕上がっています。そしてなによりメロディーとグルーヴ感が本当に素晴らしい。何回も繰り返して聴いてしまいます。正直こんな新人が出てきた事にぶったまげましたww

イギリスでは、ポストThe Stone Rosesの呼び声高く人気だそうで。あのノエル・ギャラガーも「銀河系の未来はTemples(これまた別のバンド)とJagwar Maの二組にかかっていて、こいつらの2枚のアルバムがしっかりしたものであれば、帝国軍の奴らは打ち負かせる。」とスターウォーズの世界観を交えた独特の表現で称賛しています。

本当にかっこいいので、一聴することをおすすめします。上に上げたThe Stone Roses好きな人や、Primal Scream好きな人は絶対気に入るはず。Kasabianとか好きな人も気に入るかも。
ぜひ来日公演を生で見てみたいアーティストです。個人的にアルバム収録曲はどれも捨て曲ないほどでした。どれも良いのですが、特にPVも作られているMan I Needの出来がずば抜けているかなと。サイケでメロディアス、最高ですわ笑

そのMan I NeedのPVはこちら↓



2013年6月23日日曜日

Beady Eyeニューアルバム、『BE』全曲レビュー!

はい、お久しぶりです。どうやら今回の記事でこのブログ100件目の記事みたいです。更新もサボりがちなこのブログですがこれからも細々と頑張って行きたいと思います笑


というわけで今回は、先日6/5に発売されたBeady Eyeの2ndアルバム『BE』の全曲レビューなんぞやってみたいと思います。


・Beady Eye - 『BE』  発売日:2013年6月10日(日本盤は6月5日に先行発売)
・個人的評価:69/100点
 ・収録曲:
1, Flick Of The Finger
2, Soul Love
3, Face The Crowd
4, Second Bite of The Apple
5, Soon Come Tomorrow
6, Iz Rite
7, I'm Just Saying
8, Don't Brother Me
9, Shine A Light
10, Ballroom Figured
11, Start Anew
・・・以下日本盤ボーナストラック・・・
12, Dreaming of Some Space
13, The World's Not Set in Stone
14, Back After The Break
15, Off At The Next Exit
16, Girls in Uniform
17, Evil Eye


まず、全体を通して聴いた感想から。各所で言われていることですが、まずやっぱりリアムのボーカルが暖かいというかリアル。前作『Different Gear, Still Speeding』では、リアムのボーカルにディレイ処理や荒めのフィルター処理などをわざと施したりするなど、リアムのボーカルを際立たせるためにいろいろなエフェクトが加えられていました。実際のライブでも過剰とも言えるほどのディレイとリヴァーブ処理が施されており、自分が参加した来日公演では、ライブ自体は大変素晴らしかったものの、一部でそれが賛否両論となっていました。それに比べて今作はボーカルに対するエフェクト処理が最低限。ヘッドホンなどで聴くと耳元でリアムが歌っているように思えるくらい、リアムのボーカルが近くて生っぽく感じられます。メンバーも雑誌のインタビューで意図的にそういう処理にしたと言っていたので、この判断はなかなか良いと思います。
次に曲の全体的な印象。はっきり冒頭で言ってしまえば、地味な曲が多い。前作よりもポップさは控えめです。よく言えば大人なサウンド、悪く言えば中途半端に感じられます。 これはリアムの曲にありがちですが、もっと上がりきってはじけてほしい所ではじけない、サビに持っていけば気持ちいいだろうにというところで持っていかない。逆に曲がそろそろ終わるかなという所で新たなフレーズが始まって、それ自体は冒険的で大変素晴らしい所なのですが、特に新しいフレーズが出てくる訳でもなく、延々と同じ旋律がSEのように流れ続けて終わりというのもあります。今作を表現する時によく使われている「宇宙的」なサウンドはたしかにそこで感じられます。そういう初期〜中期のPink Floydを意識したんだろうなぁというようなサウンドが出てきたりしますが、決定的な違いはここ。長い旋律を出すにしてもPink Floydに比べてやはり展開が上手くない。聴いてて「何か来るかな!?」というとこで特に何も起きず、肩すかしになってしまいがち。

 
冒頭からちょっと厳しめなこと書きましたが、次に個別の曲を見ていきたいと思います。
まず1曲目のFlick Of The Fingerから。今作の中では一番最初に発表された曲ですね。力強いブラスと一定のリズムを重く刻み続けるドラム、そして最後に流れる人のナレーションが印象的な曲です。これを何回も聴いて思ったことは「1曲目として素晴らしい。しかし、1曲目以外の箇所にこの曲が来たらちょっと・・・」ということですかね。この曲を聴いてoasis時代のアルバム『Dig Out Your Soul』の1曲目Bag It Upを思い出したのですが、あれは途中の展開含め、アルバムを始める1曲目としてまさに最高です。ワクワクします。そしてあれ単体でも良い曲だと思います。しかし、Flick Of The Fingerはリアムのボーカルメロディーに展開がなく、同じフレーズを繰り返してるだけなので、単体であれだけ聴かせて絶賛できるかというとそうでもない。ブラスの迫力でもっている曲な気がしました。先日始まったツアーでもセットリストの1曲目に置かれているようでそこに配置した判断は正しいかと。ライブアレンジでは迫力が3割増くらいになる曲なので、生で聴くのが楽しみです。

次に2曲目Soul Love。個人的に今作の中で気に入っている曲の一つです。冒頭から始まる下降フレーズと曲全体を包む不安定に浮いたようなキーボードがダークな印象を形作っています。『宇宙的』な印象はこの曲から始まる感じです。こういう曲はoasis時代からあるようでなかった曲なので何回も繰り返して聴いちゃいます。曲の中盤と最後に流れる、SEとグロッケン(鉄琴)、そして暗い底の方から聴こえるような空間系のエフェクトを入れたギターフレーズ達が混じりあった感じが最高です。

3曲目のFace The Crowd。途中のワウペダルを使用した激しいギターソロ含めて、かなりロックしていてかっこいい曲です。ちょっとラリったようなリフが気持ちいいです。サウンドはoasis時代のI Believe In Allの延長路線な印象ですが、クオリティはそれより良いです。ライブで聴いたら盛り上がれるだろうなぁと容易に想像がつきます。
ただ、ひとつ言うなら、2曲目のSoul Loveがせっかく創りあげたダークな空気感を一瞬で派手に壊しちゃってるのが何かなぁという感じです。この次に控えているSecond Bite Of The Appleが空気感を大事にした始まり方をしているので、余計うーん・・・という感じです。場所がもったいないかなぁ・・・。

 4曲目のSecond Bite Of The Appleは今作では2つめに発表された曲。Flick Of The Fingerのようなブラスを主体にした重いサウンドですが、リアムのボーカルフレーズを中心にメロディーがより洗練されていて、展開もちょっと暗めの始まり方からサビでブラスを中心にぶち上げていくので、Flick Of The Fingerに比べてよく練られていると思います。個人的にはシングルということもあって大好きな曲ですね。テレビ番組とかでも早速よく演奏していますね。実際、曲の展開がはっきりしているので、シングル向きで、oasisっぽくないサウンドでキャッチーな楽曲を作ることに成功しています。

5曲目はSoom Come Tomorrowは前曲の余韻を残したまま静かにアコギから始まるバラード曲。しかし、いかんせんメロディーが単調かなぁという気が。曲の後半に控えるエモーショナルなギターソロ以降はかなり雰囲気も良いのですが、前半部分がなぁ・・・。このギターソロからの展開がとにかく曲の核になっていて、極論を言ってしまえばそれのためだけにあるような曲のような印象を受けました。

6曲目はIz Rite。個人的に全曲中最も「oasisっぽい」楽曲です。90年代ブリットポップを彷彿とさせるポップなメロディーが特徴です。リアムのボーカルも他のメンバーのコーラスも爽やかで、夏とかにぴったりな感じです。この曲こそシングルで出すべきだったという声もあるくらい、世間的評判も良いようです(それじゃあBeady Eyeのサウンドがoasisと差別化できないけど笑)。サビのキーが少し高くなるが、ライブでリアムが頑張れるか期待します笑

7曲目はI'm Just Saying。これも前曲に続き90年代のoasisっぽいサウンド。メロディアスなロック曲です。アンディがインタビューで「Morning Gloryみたいな曲を期待する人達へのプレゼント」と言っていましたが、サウンドやメロディー的にはMorning GloryよりかはむしろHelloとかに近いかなぁと思いました。正直Iz RiteとI'm Just Sayingがなければ、アルバムがかなり中だるみしてそうなので、これらの楽曲が収録されたのは良いことかと。この曲も評判が良いのでライブでの生演奏がとても楽しみです。

8曲目はDon't Brother Me。タイトルが発表時から「ノエルに向けて書かれた歌ではないか」とか話題になっていました。曲自体はベースフレーズが印象的なバラードで、ちょっとだけ暗めというか切ない感じのボーカルメロディーが主体になっています。後ろで鳴っているキーボードやSE、テープの逆回転がSoul Loveなどに見られる「宇宙的」サウンドをまたしても作っており、アルバムの雰囲気作りに一役買っています。 曲の後半からはリアムのボーカルが終わって、それまで後ろにいた宇宙サウンドが前に出てくるインストになります。そこには『神秘』をリリースした頃のPink Floydっぽさも感じられます。さらにシタールも加わり、よりサイケデリックなサウンドになっていくのですが、ここの展開が正直ちょっと単調。特に何もなく同じフレーズを繰り返すだけで終わり。せっかく良い感じのサウンドを作り上げているんだから、もっと展開させても良いのになと感じました。曲自体はシンプルながら悪くないと思うのでここは非常に残念です。

9曲目はShine A Light。全くサウンドは違いますが、ストーンズとかにも同名の楽曲ありますね笑 早めのストロークを見せるアコギと独特のリズムを取るドラムが印象的な楽曲です。ちょっとサウンドが3曲目のFace The Crowdに似てますが、途中からはピアノやメロトロンが加わってゲムやアンディのコーラスと共に楽曲がサイケになっていきます。ライブでこれをどうアレンジしてくるか楽しみな一曲です。ボーカルのフレーズはシンプルなのですが、楽器隊の音やリズムが聴いていて飽きないように工夫されています。『Don't Believe The Truth』以降のoasisのサウンドに通ずるものを感じます。

10曲目はBallroom Figured。うーん、正直この曲が全楽曲中最も印象が薄い。ひたすらアコギ一本に対してリアムが歌っている感じ。リアムが楽曲デモをアコギ一本で録っているのをそのまま収録した感じ。アコギ一本なので、特に興味深いエフェクトが聴ける訳でもありません。アコギ一本で歌わせるなら、ノエルの独壇場なだけに余計比べてしまいます。ロックスターとしてのリアムはこの曲にはどこにもいません。ボーカルも単調。ボーナストラックの方により出来が良い曲があるので、この曲のアルバムへの収録意義がますます疑問です。

11曲目、アルバムラストを飾るのはStart Anew。一個前の曲の出来が正直?だけにちょっと不安でしたが、アルバムはこの曲で持ち直しています。 最初はアコギとキーボードに支えられてシンプルにリアムが歌いだすのですが、途中からストリングスやSE、空間系エフェクターを効かせたギターなどが加わってだんだん壮大になっていきます。アルバムラストの曲中構成が「地味→壮大」という流れになっているのは、前作に引き続き、もはや恒例な感じ。特徴的なサビがある訳でもないですが、曲を構成するサウンドが良いのでアルバムの〆にはぴったりかと思います。ライブ本番ではさらに化けてほしいですね。


というわけでアルバム本編の各楽曲の個人的レビューはここまで。 ボーナストラックのレビューはまた後日。各楽曲の基本はアコギなどシンプルですが、その上にSEやストリング、キーボードが乗っかっている感じです。Beady Eye初めて聴く人にお勧めするなら1stのほうが良いかなぁという感じですが、oasisとは違うサウンドを目指すという姿勢は1st以上に感じられます。この路線で曲のクオリティがもっと上がればさらに良いかと。ツアーが先日始まったので、セトリに大量に入れられている今作の曲がライブを何回も経ることでどんどん化けてくれることを期待します。



2013年5月7日火曜日

The Gunner's Dream

先月4月末に驚きの音源が発掘されました。それはPink Floydを脱退したRoger Watersが、あのEric Claptonをギターに迎えて制作したソロアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』のツアーのライブ音源で、1984年7月26日のアメリカはシカゴ公演をSBD音源で完全に収録したものになります。1984年のRoger Watersのソロツアーは、今までAUD録音の音源はいくつも存在していたのですが、SBD音源は今回が初めての登場になるのではと思われます。また、クラプトンがツアーに帯同していたのは1984年までで、翌1985年からの公演については、SBD音源は存在していたものの、クラプトンが参加していないので、今回の音源の登場の重要性がよりお分かりいただけるかと思います笑

当然のごとく、大手ブートレーベルからこの音源が次々と発売されていきました。自分もその中の一つを購入しましたので今日はそのレビューでもしてみたいと思います。



「The Gunner's Dream」  2CD  録音:SBD/A+

Disc 1
1, Intro.
2, Set The Controls For The Heart Of The Sun
3, Money
4, If
5, Welcome To The Machine
6, Have A Cigar
7, Wish You Were Here
8, Pigs On The Wing
9, In The Flesh
10, Nobody Home
11, Hey You
12, The Gunner's Dream

Disc 2
1, 4:30 AM (Apparently They Were Travelling Abroad)
2, 4:33 AM (Running Shoes)
3, 4:37 AM (Arabs With Knives And West German Skies)
4, 4:39 AM (For The First Time Today Part 2)
5, 4:41 AM (Sexual Revolution)
6, 4:47 AM (The Remains Of Our Love)
7, 4:50 AM (Go Fishing)
8, 4:56 AM (For The First Time Today Part 1)
9, 4:58 AM (Dunroamin, Duncarin, Dunlivin)
10, 5:01 AM (The Pros And Cons Of Hitch Hiking)
11, 5:06 AM (Every Strangers Eyes)
12, 5:11 AM (The Moment Of Clarity)
13, Band Introductions
14, Brain Damage
15, Eclipse


僕が購入したのは西新宿のLHで、フロイド専門レーベルであるSigmaレーベルがリリースした『The Gunner's Dream』というタイトルです。まずはその業者の宣伝文から↓。

「ロジャー・ウォーターズがソロとして初めて実施した1984年のツアーから、遂にステレオ・サウンドボードソースが流出しました!ピンク・フロイドの頭脳 ロジャー・ウォーターズの初ソロ・ツアーと言えば、そのプロモート対象となったソロ・アルバム『The Pros And Cons Of Hitch Hiking』同様、友人であるエリック・クラプトンが全面参加したことで当時大きな話題を提供しました。当店でもこのツアーの高音質ステレオ・オーディエンスタイトルをいくつもリリースし、好評を博してまいりました。本ツアーで聴かれたクラプトンのプレイは、全公演で時には主役のロジャーを食ってしまうほどのインパクトを与えた素晴らしいものでしたので、クラプトンマニアにも今なお本ツアーの人気は高い状況です。このたび、突如ネット上にこのツアーから 7月26日のシカゴ公演のステレオ・サウンドボードの完全収録ソースがアップされました。関係者・スタッフからの流出としか思えないものですが、それを逸早くプレスCDでリリースします!さらに本盤には、独自のプロ級マスタリングが施されていることが大きなアドヴァンテージとなっています。ネット上のマスターは元々高音質ながら、若干中音域寄りの音でしたので、中音域を少し落とし、高音域を僅かに上げるマスタリングを施すことによってクリアさが増し、ボー カルが前面に押し出されて各楽器の分離が良くなりました。特にドラムのタムとスネアの音にメリハリがついていることがお判りいただけるでしょう。オフィシャル盤としてリリースされても不思議ではない、極上のサウンドクオリティを獲得しています。ネット音源そのままでは味わえない、当店独自のマスタリング によるグレードアップ盤は、是非とも音に厳しいマニアの方にこそ聴いていただきたいものです。また、マニアならずとも、こよなくピンク・フロイド、ロジャー・ウォータース、エリック・クラプトンの音楽を愛するファンの方々にも聴いていただければきっとご満足いただける内容になっています。このツアーは 第一部がフロイド・ナンバーのオンパレード、第二部が『The Pros And Cons Of Hitch Hiking』の完全再現となっていました。そしてアンコールには、あの『狂気』からのBrain Damage / Eclipseで大団円を迎えるという構成でした。初めて聴くサウンドボードの本盤では、大編成のバックバンドの楽器の音ひとつ一つが粒立ち、ステレオ感の拡がりとともに、この壮大なスケールのパフォーマンスが余すところなく捉えられています。ソロ、オブリガート、スライド・プレイと、ステージ全編におい て多彩な活躍でサポートするクラプトンの演奏の中でも珍しいのは、Wish You Were Hereでローランドのギター・シンセサイザーを使用していたことでしょう。彼はこれに触発されて、翌年の「ビハインド・ザ・サン・ツアー」での Never Make You Cryでもこの楽器、このトーンを流用しました。バックバンドのメンバーは、元キング・クリムゾンのメル・コリンズ、名ドラマー、アンディ・ニューマーク、クィーヴァー、レイジー・レイサーなど古参のブリティッシュ・ロックバンドに在籍した経歴を持つギタリスト、ティム・レンウィックなどを含む実力派の 人たちで固められていました。会場の盛り上がりもピークに達しており、オープニングナンバー終了後には、ロジャーが「No more fireworks please.(花火はやめてくれるかな。)」とアナウンスしているほどです。徹底したリハーサルとメンバーの技量による安定感溢れる演奏をバックに、ロジャーが自分の実力をフルに発揮した伝説のツアーを最高の音質で聴ける本盤は、全フロイドファン、クラプトンファン必携のタイトルです。限定プレスCDゆえ、数に限りがございますので、お早めのオーダーをお願いします。」


 まず音質ですが、宣伝文にある通り、流出ものとは思えない素晴らしい高音質SBD音源です。流出もののライン音源にありがちな、オーディエンスの歓声が小さくて演奏の音もこもりがち、ということは一切ありません。さすがに演奏中の歓声は小さめですが、曲間の盛り上がりは凄まじいです。また、各楽器やボーカルの出力レベルもクリアで迫力があります。曲中に流れるSE(サウンド・エフェクト)が左右に行き来する具合もばっちり捉えられていますし、ブラスやドラム、キーボード、女性コーラスなども音圧十分と言えます。ここまで完璧と言っていい音のバランスから察すると、業者の宣伝文にある通り、本当に内部関係者から流出したものかもしれませんね。

バンドの演奏も素晴らしいです。ライブ構成は、大きく分けて3つの部から構成されています。まず第一部でPink Floyd時代の曲を演奏し、その後20分の休憩を挟んだ後、第二部でソロアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』の全曲再現ライブが行われます。そしてその後アンコールで再びPink Floydの曲から、名盤『狂気』に収録されている「Brain Damage」と「Eclipse」の2曲を演奏してライブを〆るといった流れです。
まずあのクラプトンがPink Floydの曲を弾いていること自体が貴重ですが、きちんと自分のものにしてみせています。Ifの曲中で聴かれる彼のアコギソロはソロ途中でオーディエンスの大歓声が上がるほど、素晴らしいプレイです。このライブ最初のハイライトと言って良いでしょうね。また、Wish You Were Hereでは、曲中に彼のギターシンセサイザーを使用したソロがあり、そのために曲の構成を原曲と変えています。あれだけ自分の曲に執拗なこだわりを見せるロジャーが、構成を変更してアレンジを施させているのですから、これはなかなか面白いドキュメントです。また同曲では、イントロと曲中にPink Floydの曲「Paranoid Eyes」のイントロを彷彿とさせるピアノフレーズが付け加えられているのも興味深いポイントでしょう。

クラプトンがフィーチャーされがちですが、やっぱりこのツアーはRoger Watersのソロツアー。主役をきちんとはっています。フロイド時代では考えられなかったようなテンションの高さです。ちょっと怖いくらい笑
Ifの演奏前には、「次の曲はとても・・・、とても静かな曲なんだ」と静かに語りながら演奏を始めます。またIn The Fleshでは、いつも以上に狂気じみたハイテンションキャラを炸裂させ、曲前に「黙れ!!!」とオーディエンスに叫んでいます。歌詞のキャラクターを演じるという意味でかなり役に入ってますね。第二部の『ヒッチハイクの賛否両論』でも、過度気味な歌唱表現がいかにも彼らしいです。まるでささやくような歌い方からスクリームのような甲高い叫び声まで、気持ち悪さと迫力がいつもより2割増です笑
そしてベースのプレイもフロイド時代よりノってますね。In The Fleshなどではフロイド時代にはやらなかった、ベースのトレモロピッキングをしたりしていてご機嫌です。

第二部の『ヒッチハイクの賛否両論』全曲再現演奏については、アルバム制作にクラプトンが参加していたことから彼も慣れていたのか、全体的に第一部よりもさらに引き締まった演奏を聴く事が出来ます。ロジャーのボーカルと女性コーラスが紡ぐ旋律に、クラプトンのブルージーなギターと、King Crimsonにも所属していたメル・コリンズのサックスが綺麗に入り込んできます。「4:33 AM (Running Shoes)」、「4:50 AM (Go Fishing)」、「5:01 AM (The Pros And Cons Of Hitch Hiking)」などは特に聴きごたえがあります。歴代のフロイドのアルバムと比べて酷評されがちなこのアルバムですが、歴史的名盤とまでは行かなくとも十分良作だと自分は思うんですがね・・・。

アンコールの「Brain Damage」と「Eclipse」の2曲は感動の大団円です。会場の盛り上がりもピークに達しています。サウンドも原曲に近い音作りで、SEもばっちり効いてます。ロジャーも曲中で不気味に笑ったりと愛嬌たっぷり?です笑
素晴らしい〆と言えるでしょう。演奏終了後、クラプトンがロジャーの名を紹介してライブは終了します。

なお、Pigs On The WingとIn The Fleshの曲間にカットがあるようですが、聴く分にはなんの問題もありません。またNobody Homeの40秒過ぎに一瞬ノイズが乗ります。欠点らしい欠点はこのくらいでしょうか。


そして冒頭で述べたようにこの音源は複数のブートレーベルがリリースしています。最初に発売したのは、西新宿BFでおなじみ、クラプトン専門レーベルであるMid Valley。こちらは6800円と割高ですが、スリップケース付きの厚型プラケースにプレスのピクチャーディスクでカードが2枚付いているようです。もうひとつはHighlandレーベル。こちらはプログレ系のバンドを中心にリリースしているレーベルですが、CD-Rでのリリースです。基本的にこっちは無視してしまって良いでしょう。

ちなみに自分が今回購入したSigmaレーベルの本タイトルは、ナンバリング入りステッカー付のプレスCDで3800円でした。しかもおまけとして、同ツアーにクラプトンが参加した最後の公演である、1984年7月31日のカナダはケベック公演を業務用のタイムカウンターが入った状態でプロショット収録したDVD-Rと、2004年のスマトラ沖地震のためのチャリティー番組で、ロジャーとクラプトンが共演して「Wish You Were Here」を演奏した際の番組リハーサルを収録したDVD-Rがもう1枚付いてきました。ケベック公演の画質はお世辞にも良いとは言い難いですが、このツアーのプロショット自体が他に存在しないと思われるので、30分ちょっとの収録とはいえ貴重です。『ヒッチハイクの賛否両論』の曲では、演奏に合わせてバックスクリーンに様々なアニメーションが投影される様子も確認できます。そして、2004年のチャリティー番組のリハーサルを収録したもう1枚のボーナスDVDは、冒頭で所々音声のみの収録になっているところが少しありますが、基本的には良好な画質と音質で、途中で演奏を辞めてしまったテイクも含めて、計5回ほど演奏が試みられている様子がプロショットで捉えられています。中にはイントロのワンフレーズだけでロジャーが演奏を止めてしまったりするテイクもあり、寡黙に引き続けるクラプトンとの対比が印象的です。またこの二人、リハ中ほとんど口を利いていないのですが、最後の方でノってきたのか、ちょっとジャムっぽいことを一瞬やろうとしたりしていて、よく見ているとなかなか面白いですよ。

というわけで、限定生産ではあるものの、より安価なのに同じくプレスCDで、しかもおまけも充実しているので、もしSigmaとMid Valleyどっちかで迷ったらSigmaレーベルの方をお勧めしておきます。ジャケもよりセンスがあるような気もしますし。とはいえ、どちらも大手なブートレーベルなので、Mid Valley版でも買って失敗したと思うことはないかと。フロイドファン、クラプトンファンともにおすすめですよ!^^


 「Lunatic Rave」(Mid Valley版のジャケです)


2013年4月27日土曜日

All Over Mainroad

ちまたでは、Beady Eye待望の2ndアルバム『BE』が6月に発売されることが決定し、サマソニで来日することもあって、oasis界隈は再び盛り上がりを見せてきていますね。リアムにとっては正念場。良いアルバムを残してほしいものです。というわけでoasisのブートでも行ってみましょう。


「All Over Mainroad」  2CD  録音:SBD/A−〜A

Disc 1
1, Hung In A Bad Place
2, Go Let It Out
3, Columbia
4, Morning Glory
5, Stop Crying Your Heart Out
6, Little By Little
7, Cigarettes & Alcohol
8, Live Forever
9, Better Man
10, She's Electric (Noel)
11, Born On A Different Cloud
12, Acquiesce
13, Force Of Nature
14, Don't Look Back In Anger

Disc 2
1, Some Might Say
2, My Generation
3, Hello
4, Hung In A Bad Place
5, Go Let It Out
6, Columbia
7, Morning Glory
8, Stop Crying Your Heart Out
9, Little By Little
10, Cigarettes & Alcohol
11, Live Forever
12, Acquiesce
13, Don't Look Back In Anger
14, My Generation


2002年の「Heathen Chemistry」ツアー冒頭のライブの模様を2つも、しかもSBD音源で楽しめるというお得な感じのブートです。Disc 1とDisc 2の最初の2曲がスイスのGurten Festival出演時の演奏で、Disc 2の残り12曲がアイルランドはベルファスト公演を収録したものになります。どちらもFMラジオ放送音源が元になっているようです。

では、まずはGurten Festivalの方から。収録曲を見てもらえれば分かるように、Fuckin' In The Bushes, Hello, The Hindu Timesのライブ冒頭3曲が未収録です。当時のリードシングルThe Hindu Timesが収録されていないのはチト痛いですかね。とはいえ、シンバル類の音がちょっと濁っているかなぁという印象は受けるものの、音質は良好なステレオSBD音源です。そしてこの日のバンドの調子ですが、リアムの声が良くないです。My Generationなんか途中から歌えてません。辛そうです。演奏はこの時期のものとしては普通でしょうかねぇ。このツアーの名盤ブートとしては、この後に伝説のフィンズベリーパーク公演やWitness Festival公演の音源が残っているので余計そう感じてしまいます。とはいえ、聴き所がない訳ではないです。個人的にはこの日のGo Let It Outが好きですね。曲ラストの“Go Let It Out, Go Let It In〜”と歌うところ、ノエルがコーラス頑張って入れてるんですねぇ。前のツアーでは聴けなかったので、この絡みは好きです。リアムがダメダメなぶん、ノエルの頑張りが聴けるライブと言えるでしょうね。She's Electricはこの世界ツアーからライブで初めて演奏されていると思いますし(ただしノエルボーカル)。

続いて、Disc 2の3曲目以降に収録されているベルファスト公演。少々モノラル気味のSBD音源です。音質自体は悪くはないですね。個人的にこのタイプのSBD音源は、音が荒いこともあったりしてあんまり好みではないのですが、演奏の質が先に紹介したGurten Festivalより良いので聴けてしまいます。リアムの声もGurten Festivalより出ています。テンションも高めです。しかし、またもやThe Hindu Timesが未収録。どうやらBBCが本公演のライブを抜粋で13曲ラジオで放送した際に、The Hindu Timesに音飛びが入ってしまったため、このブートでは割愛されているようです。音飛びあっても良いから入れてほしかったと思うかどうかは購入者次第ってところでしょうか。

というわけで演奏の質は圧倒的にベルファスト公演>Gurten Festivalですね。SBD音源の音質としては、よりステレオ感のあるGurten Festivalの方が良いですが。本記事の冒頭でも述べたように、2002年ツアーのうち、2つのライブの音源が気軽に聴けるのが最大のポイントでしょうか。そしてこのブートを作ったPolar Bearというレーベル、安価にプレスCDでリリースしてくれるのが親切ですね。Goodです!
とはいえ、他にも欠点があります。やっぱ、Gurten Festivalのライブが、たった2曲だけDisc 2にまたがってるのは中途半端な気がしなくもないです。そしてこのブート、ディスクのレーベル面の印刷が逆になっています。聴く分には問題ないですが、ご注意を!

とまぁ、悪い内容のブートでは決してないんですが、レーベル側のミスもあり、 大味な印象が強いブートですねぇ。入手は容易なので、名盤といわれるフィンズベリーパーク公演やWitness Festival公演の音源以外にも同ツアーに興味がある人はぜひ!!


2013年4月14日日曜日

A VENEZIA

本当にお久しぶりです。春休みも色々と忙しく、ブログ更新できてませんでした・・・。ごめんなさい・・・汗
というわけで再開記事の一発目はおなじみPink Floydの映像もので攻めてみようかと思います。


「A VENEZIA」  1DVD-R  画質:PRO/A

1, Pre Concert
2, Jingle
3, Shine On You Crazy Diamond
4, Learning To Fly
5, Yet Another Movie
6, Round And Around
7, Sorrow
8, The Dogs Of War
9, On The Turning Away
10, Time
11, The Great Gig In The Sky
12, Wish You Were Here
13, Money
14, Another Brick In The Wall Part Ⅱ
15, Comfortably Numb
16, Run Like Hell
17, Credit(以下ボーナス映像)
18, German Tour 1988
19, Live In Moscow 3-7 June 1989 (from Rapido, French TV)


前回のこちらの記事でもご紹介したように、1985年にベースのRoger Watersが脱退し、他のメンバーと世界を股にかけた大裁判を行います。世界中が注目したその裁判は、金銭面や他いくつかの条件はあるものの、David Gilmourを中心とした、残りのメンバーによる新生Pink Floydを認める結果となりました。そして1987年、新作『A Momentary Lapse Of Reason(邦題:「鬱」)』を発表。かつてない規模での大々的な世界ツアーによってその復活を印象づけました。今回ご紹介するタイトルは、その『A Momentary Lapse Of Reason』ツアーから、1989年7月15日のヴェネチア公演を、イタリア国営テレビ局であるRai Unoが中継放送した番組から収録したブートになります。まずブート業者の宣伝文句をどうぞ↓

『1989年7月15日のイタリアはベニス公演を最長・最高のクオリティで収録したファン絶対必携映像がボーナスディスクで登場。テレビ放送マスターを業務用ユーマティックテープで保存していたものをダイレクトにデジタル化したとされる、ファンの間で話題騒然となった驚異のアップグレード版(しかもステレオ!!)。現在に至るまで、本テイク以上の品質映像は出現していません。コンサート開始前の特番を15分完璧に収録しており、これだけでも驚かされます。 ライブ前の会場の様子から、画面は一気に現地テレビ局の「RAI」へ。ビデオ時代から同内容のライブ映像を見続けたファンにとっては、その直後の 「Pink Floyd In Venice」の文字の鮮明さ、続くクレジットのキレイさ、そしてステージライトのクリアーさに大きな衝撃を覚えることでしょう。これまで滲んでしまって いた赤色ですら、非常に鮮明に出力されます。メンバーのアップ映像は非常に美しく、「A Momentary Lapse Of Reason」以降の再結成フロイドに否定的なファンですら、その凄まじいまでの画面クオリティに思わず見ってしまうことでしょう。顔や手のアップの肌の 色の出色、更にあの円形のライトの美しさは別格でこれが本当に1989年のビデオ映像であることが信じられない程です。更に素晴らしい事に音声は完璧なス テレオで収録されているのです。インターネットを経由して登場したものですが製作者が「ハーヴェステッド版よりクリアー」と豪語されているとおりの、まさ に常識破りの一枚であり、当時のテレビ放送ですら、ここまでクリアー出は無かったのではないかと思えるほどです。メインは108分の最長収録で、ラストに はボーナス映像として、1988年のドイツツアーのテレビスペシャル(8分)と1989年6月に行われたロシアツアーをレポートしたフランスのテレビ番組 (1分)がそれぞれ高画質で追加収録されています。「こんなに凄いものがまだまだあるんだなぁ」と誰しもが感がいの思いで見入ってしまう驚愕のハイエス ト・クオリティ映像。出来るだけたくさんの人に見て頂きたいという思いを込めて、1989年ベニス公演のプロショット映像の究極版。最高音質盤「THE GREAT GIG IN THE BUDOKAN」を映像から補完する意味で最高のセット企画と言えるのではないでしょうか。オリジナル・メニュー付。』


古くからある定番映像ですが、業者の謳い文句通り、画質と音質は過去最高レベルのクオリティです。さすがに最近のデジタル放送レベルの画質ではないですが、1989年という年代を考えたら十分に高画質です。また、いくつかの曲が放送されていないようなので、完全収録ではなさそうですが、Pink Floydはプロショット映像が少ないバンドなので、十分満足できるでしょう。そしてなによりヴェネツィアという、ある意味ライブをするには特殊な場所に巨大なステージが設営され、当時最新鋭の照明機材と映像スクリーンが設置されている様が圧巻です。メンバーの演奏レベルも良い感じで、縦横無尽に飛び交うレーザーとまぶしいくらいの照明、何メートルあるか分からないほどの超巨大な円形スクリーンに映し出される映像がPink Floydのライブをより一層素晴らしいものにしています。常に当時の最新鋭の技術や機材をステージに持ち込むその姿勢は、ロジャー在籍時からずっと貫かれていましたが、まさにそれを体現したライブと言えるでしょう。Pink Floydのライブは「音と光の洪水」と表現される事がありますが、言い得て妙です。
また、オーディエンスの様も圧巻です。ヴェネチアの海にオーディエンスが乗ったゴンドラがびっしりと停まってライブを眺めています。サン・マルコ広場もとにかく人、人、人・・・。なんと30万人もの人が会場に集まったようです。
後日談ですが、当時のヴェネチア市長はこんなに多くの人がライブを見に来るとは思っていなかったらしく、トイレや宿泊施設の数がパンクして大混乱に陥り、後日辞職させられたようです。


ロジャーが脱退した事で、今までバンドが持っていた独特の「毒」は抜けてしまいましたが、Pink Floydという巨体を過去のものとする事なく、再びコントロールしてみせた意味で、この『A Momentary Lapse OF Reason』ツアーは重要だと考えられます。そしてこの次に発表される、現時点でのPink Floydのラストアルバム『Division Bell(邦題:「対」)』の世界ツアーで、ステージの規模はさらに巨大化していくことになります・・・。


このブートの唯一の欠点といえば、DVD-Rであるということくらいでしょう。ライブ開始前の特番や本編終了後のボーナス映像も共に良好な画質と音質です。演奏内容・画質・音質と三拍子そろった大満足なブートでございました。当日の写真をネットで見つけたので貼っておきます。見にくいかもしれませんが、すんごい人の数ですね・・・笑



2013年2月23日土曜日

Another Lapse In Japan

ふぅ〜・・・。本日のゼミの合宿が一息つきました笑
とっても充実した一週間でした^^

というわけで今回は先日閉店&移転したBTRの50%OFFセールで購入したPink Floydのブートをご紹介。



「Another Lapse In Japan」  2CD  録音:AUD/A+

Disc 1
1, Shine On You Crazy Diamond
2, Signs Of Life
3, Learning To Fly
4, Yet Another Movie
5, A New Machine Part 1
6, Terminal Frost
7, A New Machine Part 2
8, Sorrow
9, The Dogs Of War
10, On The Turning Away
11, One Of These Days
12, Time

Disc 2
1, The Great Gig In The Sky
2, Wish You Were Here
3, Welcome To The Machine
4, Us And Them
5, Money
6, Another Brick In The Wall (Part2)
7, Comfortably Numb
8, One Slip
9, Run Like Hell


 Pink Floydは、1973年の『狂気』、1975年の『炎〜あなたがここにいてほしい』、1977年の『アニマルズ』、1979年の『The Wall』という世界的大ヒット作を連発していく過程において、徐々にバンド内での主導権がRoger Watersに移っていきます。1983年に発表した『Final Cut』は、もはやPink Floydのアルバムというよりかは実質ロジャーのソロ作品と化していました。そして1985年にロジャーは「バンドは創造性を使い切った」という声明を出し、バンドを脱退。メンバーとの関係はどうしようもないところまで悪化していました。David Gilmourを中心とした残りのメンバーはバンドの活動継続を決めますが、これに脱退したロジャーが激怒。世界を股にかけた大裁判が始まります。結果的に金銭面での支払いなど条件はついたものの、バンドはギルモアを中心とした新生Pink Floydとして生まれ変わりました。
 そして1987年、新作『A Momentary Lapse Of Reason(邦題:「鬱」)』を発表。翌年には1972年以来となる3度目の来日公演が実現しました。今回ご紹介するこのブートはその来日公演から1公演目3/2の日本武道館公演をオーディエンス録音で収録したものです。


まず一聴して思うのは、そのサウンドの分厚さ。ロジャー在籍時のフロイドとはステージに居る人数からして違います笑
11人もステージに居たようで、女性コーラスはもちろんのこと、SEやキーボードなどとにかく音の情報量がものすごいです。一人メンバーが変わっただけでバンドってこんなにも音が派手になるものかとwww
演奏の質も良いと思います。セトリを見ていただければ分かると思うのですが、Shine On You Crazy Diamondでライブが幕を開けると、当時のニューアルバム『A Momentary Lapse Of Reason』の曲を一気に演奏し、15分の休憩後(On The Turning Away演奏後)、歴代フロイド人気ナンバーを演奏しています。ニューアルバムからの曲はSEがこれまで以上に随所にちりばめられて不思議な感じがしますね。また、これはCDブートなので直接感じる事は出来ないのですが、レーザー光線やライト、映像などによる視覚的演出も相当に凄かったらしく、随所にオーディエンスの盛り上がりを聴く事が出来ます。


そしてなにより音質が良い!!同じ日を収録した『The Great Gig In The Budokan』がLighthouseから1月にリリースされてており、そちらとの比較はできていませんが、こちらのブートでも確実に満足できる音質です。今回ご紹介しているブートがリリースされたのは昨年の12月だそうですから、もしかしたらリリース時期的に同じ音源を使っている可能性もありますね。ライブ冒頭のオーディエンスが割と静かなのが気になりますが(ギルモアもLearning To Fly演奏後のMCでそのことに触れてますww)、その後はやっぱり盛り上がってますね笑
低音から高音まで綺麗に収録されており、かつオーディエンスの歓声も鑑賞に邪魔にならないレベルで適度に入っているので、非常にバランスが良いです。


ただ、唯一気になった欠点が一つ。それはディスクの区切り方。上にも書いたようにOn The Turning Awayが演奏された後に15分間の休憩が取られ、その後第2部が始まるのですが、その区切りがDisc 1に来てしまっています(休憩時間の模様はカットされています)。そのため、第2部の流れがDisc 2との切り替わりの関係上ちょっと悪いです。CDの収録時間を節約するためにこうしたのでしょうが、思い切って3枚組にしてくれた方が親切ではあったかなという感じがします。


とはいえ、欠点らしい欠点と言えばこれくらい。プレスCDは当然の事、Godfatherレーベル特有の紙ジャケ仕様で、特典としてブックレットと当時のポスターのミニチュア版がついてくるのも嬉しい限りです。ロジャー脱退後のフロイドを知る意味でも、現在に至るまで最後の来日公演となっているツアーを疑似体験する意味でもこのブートは非常にお得だと言えます。上に書いたLighthouseのブートはこの翌日の公演も収録した大作で、作りが良い分お値段も張る(7800円だったような)ので、手始めに1988年の来日公演を聞いてみたいという人にはGodfatherレーベルの方をお勧めしておきます。値段も3000円ちょっとで買う事が出来ます(自分はBTRの閉店&移転の50%OFFセールで千数百円で購入する事が出来ました笑)。高音質ブートとして必聴!!!!! 


2013年1月30日水曜日

I Got Speed And I Walk On Air

あけましておめでとうございます!笑
なんとこれが新年最初の投稿というサボりっぷりでございました・・・。ほんとうにすみません。
つい昨日まで期末試験だった事もあって、記事を書くタイミング完全に逃してました。お許しを・・・。


というわけで今回は、久々にoasisのブートをご紹介。デビューした年からoasisのブートを細々と順に載せてますが、2002年まで来ました。



「I Got Speed And I Walk On Air」  1CD  録音:SBD/A-~A+

1, Fuckin' In The Bushes
2, Go Let It Out
3, Supersonic
4, The Hindu Times
5, Fade Away
6, Morning Glory
7, Hung In A Bad Place
8, Gas Panic!
9, Rock 'n' Roll Star
10, Don't Look Back In Anger
11, Go Let It Out
12, Fade Away
13, Morning Glory
14, Cigarettes & Alcohol
15, Don't Look Back In Anger
16, Champagne Supernova


このブートは、2カ所のライブを収録したものです。まず最初の10曲は2002年リリースのアルバムHeathen Chemistryに伴う世界ツアーの前にベルリンで行われたシークレットライブを10曲抜粋でテレビ放送音源から収録。演奏はまだまだツアー前という事で硬いですし、音質も少々濁っていますが、セットリストが前年やっていた兄弟愛ツアーや10周年記念ツアーにアルバムの新曲を混ぜたような変則的なものになっています。これはこれでレア。
後半は、その兄弟愛ツアーからロサンゼルス公演を抜粋で6曲収録。前半とは打って変わってかなりの高音質SBD音源です。ドラマーもこの時期だけはアラン・ホワイトではなく、兄のスティーヴ・ホワイトが叩いているので、演奏のアレンジ違いを楽しむ事も出来ます。そもそも兄弟愛ツアー自体のライブ音源がこのブートと以前ご紹介したBROTHERLY LOVE : Just Before 10th Anniversaryというブートでしか聴く事が出来ないので、抜粋とはいえ、貴重ですね。個人的にこの日のChampagne Supernovaはお気に入りです。


前半の収録内容が今一ではあるものの、このレーベルのブートはBROTHERLY LOVE : Just Before 10th Anniversaryと同じメーカーで、安価で入手しやすいこともあり、オススメです。そしてなによりプレスCDなのが良いですね!^^